桑原専慶流のいけばなは今から300余年前に京都でうまれました。
流祖の理知的な気風と自由な精神を受け継ぎ、
伝承の古典いけばなから創作的な現代花まで幅広くお教えする中で、
一生涯探求する奥深いいけばなの魅力を見つけて下さることを願っています。
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桑 原 仙 齋 Kuwahara Sensai
桑原専慶流家元十四世。現代の立花の名手。
日本人の暮らしといけばなの文化論には定評があり、料理上手でも有名。
素子夫人と京都や海外でのいけばな作品集を出版し、いけばなの魅力を発信し続けている。
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桑 原 仙 溪 Kuwahara Senkei
桑原専慶流家元十五世。1961年生まれ。2004年5月5日、家元襲名。
大学卒業後花道の世界へ。古典いけばなの継承と普及に力をいれる。ドイツ、インド、韓国、モロッコなどでいけばなを披露。
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桑原専慶流のいけばな
桑原専慶流のいけばなは、元禄時代(17世紀)、桑原冨春軒仙溪が始めました。
元禄時代はご存じの通り、尾形光琳や松尾芭蕉、そして井原西鶴、近松門左衛門という、現代にも生き続けている美術や文学演劇などの日本文化が完成する時代です。
初代仙溪は、生け花のもっとも古い形、立花の名人でしたが、一面大変な知識人で、当時の植物学を存分に駆使して「立花時勢粧」という8巻の本をつくりました。そこに記された花道論は現代のいけばなにも何かにつけて引用され、大きな影響をあたえている名著です。
桑原専慶流のいけばなは、創流された元禄時代のはなやかさを伝える一面、理知的な流祖の気風を代々の家元が受けつぎ、歴史を重ねると共に品格が高まり、優雅な表現を身につけてきました。
桑原専慶流では、盛花、投入という現代いけばな、古典いけばなでは生花、そしてすべてのいけばなの原型ともいうべき立花まで奥深く習うことができます。
いけばなは、いま世界の人々から、日本そのものを表現するユニークで価値ある文化だと考えられています。
植物のつきることのない魅力にふれながら、花と無心に向かいあう人が、ひとりでも多くなればと、心から願っております。
桑原専慶流家元 十四世
桑 原 仙 溪
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「立花時勢粧」
立花時勢粧(りっかいまようすがた)は桑原権左衛門専慶(冨春軒仙溪)が著した立花の伝書で、
貞享五年(1688年)に八冊本として刊行されました。
草木の出生、立花の技法と道具、立花の作意や技巧理論を述べた『立花秘伝抄』五冊と、
作品図による花形解説の『時勢粧』三冊から成ります。
植物の自然にある形、出生のあらゆる状態を深く観察して、
それを立花にとり入れることについて、それまでにない自由な解釈と方法を試みています。
また、立花の花型を真(直真立て)・行(除真立て)・草(砂の物)として、
それぞれをさらに真・行・草に分類することによって「九品の花形」を定めました。
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立花時勢粧(りっかいまようすがた)
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