専溪生花百事 内容の一部をご紹介します


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さじぎぼうし
 生花には葉を組んで花形を作るものがいろいろある。葉蘭、水仙、いちはつ、杜若、花菖蒲、ぎぼうし、紫苑、こうぼね、おもと、しゃが、など花と葉と別の出生をもち、生花の場合にはこれをあわせて花形を作ることになる。
 ここでは、そのうちの「さじぎぽうし」について解説する。
 ぎぼうしには野生の種類、栽培の種類が多く六月より八月に至る夏の季節に咲く花であるが、このさじぎぼうしは花の高さ三〇センチ程度で、六月に花の咲く栽培種の広葉ものである。
 葉の形がさじに似ているのでこの名があるのだが、葉の質が厚く形に引きしまりがあって、生花の材料としてことに適している。
 花器は竹器の寸筒、壺の類に調和よく、陶器の鉢の類、竹器の二管筒にも面白い花形が作れる(後部、木版生花図掲載)ここに収録した作品はトルコ青の壺に活けた。「さじぎぼうし、九葉三花」の生花である。
ぎぼうしの生花
 (九葉三花)真、副、見越、真がこい、胴、胴の沈み、留、総かこい、控(花は真、胴、留に三本)
 (七葉二花)真、副、見越、胴、留、総かこい、控(花は真、胴に二本)花は低く入れるのが特徴である。
 以上の葉の用いどころは基本的な葉づかいであって、葉蘭、紫苑など広葉ものは一部変るところがあっても、ほとんど同じである。また、その他のぎぽうしの場合も同様の葉づかいをする。


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