花暮らし

京都・花暮らし


桑原家の稽古日 (その二) 2002年8月26日

mihon wo erabu  稽古の花の取り合わせは、そのつど実際に見て決めます。

 朝に市場で仕入れてこられた新鮮な花を、花屋さんが見本として持ってこられ、その中から組み合わせを考えます。

 「これとこれで組み合わせてくれる。」

 長年のやりとりで、こちらも花屋さんに厳しい注文をつけつつ、質の高い花材を持ってきてもらうようにしています。

 月3回の稽古で年間36回。毎回花のとりあわせを変えますので、1回の稽古に3種類の花をさわるとして、1年間でかなりの種類の花材を稽古することになるわけです。
mukuge no ukasibana  今年の夏は、とにかく暑かったですね。

 そんな暑い夏の間、庭でずっと咲き続けてくれたのが、ムクゲ(木槿)です。

 一日花なので、朝早くに咲いて、夕方しぼんでしまいますが、品種によっては次の日も咲いているようです。

 狭い庭に植えられたムクゲですから、枝の上の方しか太陽がまともに当たりません。

 6月頃には高い高いところで咲いていますが、だんだんと台にのったら手が届くところで咲いてくれるようになります。

 そうすると、朝咲いた花を花のつけねで切って、玄関の水溜に浮かべてやります。清々しい迎え花になってくれます。
mukuge no kakehana  玄関の一輪挿しに困ったときにも、庭の花は重宝します。

 浮かし花とは別のムクゲの小枝を切って、玄関の掛け花生けにいけました。

 目の高さぐらいに掛けられた信楽焼の花生けに、新しい水をいれて、前に倒すようにいけます。
 少しの水しか入らない花器ですから、花も少しの本数を小さくいけるようにします。

 玄関でまず目にされる花ですから、来られた人の目の前に花が優しく話しかけてくるような、そんな感じにいけています。
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