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桑原専慶流の伝承花「立花(りっか)」を立てました
二条城の築城400年を祝って、様々な催しが開催中ですが、京都いけばな協会でも、二条城内の香雲亭で、各流派の代表者によるいけばな展をおこないました。
香雲亭は二条城二の丸の北側にある清流園の中にあります。香雲亭は、戦後に角倉家の屋敷(もと河原町二条角にあった)を移築したもの。その時の庭石をもとにして、新たに日本各地から運び込まれた石を加えてつくられた庭、清流園が、目の前にひろがります。
秋の爽やかな空の下、開け放たれた書院造りの座敷から、広々とした庭を眺めていると、時間が止まったかのような錯覚をおぼえます。
そして、床の間、書院、座敷の各所には、古典調のいけばなが整然とならび、凛とひきしまった空間が生まれました。
私の立てた立花は、鶏頭(けいとう)を主に、糸菊、野茨の実、松、満天星(どうだんつつじ)、段竹、小菊、柘植(つげ)を四方へ出し、足元(水ぎわ)を一本にまとめて、花器の水面からきりっと立ち上がらせています。
桑原専慶流の流祖、桑原冨春軒仙溪が出版した「立花時勢粧」(1688)の中にも、鶏頭を中心に高く立てた立花の絵図がありますが、一度立ててみたかったところ、立派な鶏頭が見つかったので、チャレンジした次第です。
他の先生方の花も、和の空間で生き生きとして、ご来場の皆さんも楽しんでいただけたと思います。
和則
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